確定申告の税理士依頼料金|個人が3社見積で実感した相場

確定申告の税理士依頼料金は、個人事業主にとって「高いのか安いのか」判断しにくいテーマです。私はAFP・宅地建物取引士として保険代理店時代から多くの個人事業主・経営者の税務相談に同席し、2026年の自社法人化に際しては実際に3社から見積を取って顧問税理士を選びました。その実体験をもとに、費用感と選び方の基準を具体的に解説します。

個人の確定申告を税理士に依頼する料金の全体像

基本報酬の構造:何に対していくらかかるのか

確定申告を税理士に依頼する場合の料金は、大きく「記帳代行料」「申告書作成料」「相談料」の3層構造で成り立っています。個人事業主が全部まとめて依頼する、いわゆる「丸投げ」の場合は、これら3つが一体化したパッケージ料金になることが多いです。

一般的な相場感として、売上規模が年間500万円未満の個人事業主であれば、確定申告の税理士費用は年間5万円〜15万円程度が目安です。売上が500万円〜1,000万円になると10万円〜20万円、1,000万円超では20万円〜40万円以上になるケースも珍しくありません。ただし、事業内容・取引件数・帳簿の状態によって費用は大きく変わるため、複数社に見積依頼することが前提です。

また、消費税の申告が発生する場合(課税売上1,000万円超や課税事業者の選択をしている場合など)は、別途3万円〜5万円程度の加算が一般的です。消費税法の申告義務が生じるタイミングと費用の関係は、税理士選びの際に必ず確認すべき項目です。

青色申告と白色申告で費用は変わるか

結論から言うと、青色申告のほうが依頼費用はやや高くなる傾向があります。理由は単純で、青色申告では複式簿記による帳簿作成が義務付けられており(所得税法第148条)、記帳の工数が増えるからです。

白色申告は簡易な収支内訳書で申告できるため、作業量が少なく費用が抑えられますが、青色申告特別控除(最大65万円)の適用を受けるためにはe-Taxによる電子申告と複式簿記が必要です。私が保険代理店に勤めていた時代、顧客である個人事業主の方が「白色で申告しているから税理士費用を安く済ませたい」と言いながら、65万円控除を取れていないために実質的に損をしているケースを何件も見てきました。

青色申告の税理士費用が白色より1万円〜3万円高くても、65万円控除による節税効果が見込まれることを考えれば、費用対効果として青色申告の選択は合理的です。具体的な節税金額は所得水準や適用税率により個別に異なりますので、税理士に確認することをおすすめします。

3社見積で見えた丸投げと記帳代行の料金差—私の実体験

法人化前に実際に3社へ見積依頼した結果

私が2026年に法人を設立する前、個人事業主として最後の確定申告を税理士に依頼しようと、都内の税理士事務所3社に見積を依頼しました。いずれも税理士紹介エージェントや知人の紹介経由で面談した先生方です。

3社の提示内容は以下のとおりでした(私の当時の売上規模は年間700万円前後、取引先は10社程度)。

  • A事務所:記帳代行込み・申告書作成込みの年間顧問料として月額1.5万円(年間18万円)+決算・申告料5万円。合計年間23万円。
  • B事務所:自分でfreeeに入力することを前提に、申告書作成・レビューのみで年間8万円。記帳は自己対応。
  • C事務所:丸投げパッケージ(記帳・申告・節税相談込み)で年間15万円。ただし消費税申告が発生した場合は別途3万円加算。

同じ「確定申告の税理士依頼」でも、料金体系がまったく異なることを肌で実感しました。最終的に私はB事務所とC事務所の中間的なプランで交渉し、クラウド会計ソフトへの入力は自分で行い、仕訳チェックと申告書作成を依頼する形で年間10万円に落ち着かせました。

見積で確認すべき「追加費用の罠」

3社を比較して痛感したのは、表面上の料金より「追加費用の設計」が重要だという点です。A事務所の年間23万円は一見高く見えましたが、税務調査対応・相続・経営相談も含まれていました。一方、C事務所の15万円は一見安く見えても、消費税申告・年末調整・給与計算は別途加算という設計でした。

個人事業主が税理士に確定申告を依頼する際に追加費用が発生しやすい項目は以下の通りです。

  • 消費税申告書の作成(3万円〜5万円が相場)
  • 給与支払がある場合の年末調整対応(1名あたり5,000円〜1万円)
  • 税務調査立会(時間単価3万円〜5万円が目安)
  • 期中の追加相談(顧問外の場合、1回1万円〜3万円)
  • 帳簿の修正・整理代行(状況次第で別途見積)

私はAFP資格者として資金計画の視点で費用を見る習慣がありますが、税理士費用も「トータルコストで見積もる」ことが基本です。最初に提示された金額だけで判断すると、後から想定外の追加請求が来ることがあります。面談時に「追加費用はどのような場合に発生しますか」と直接確認することを強くおすすめします。

売上規模別の確定申告税理士費用の目安

年商300万円未満〜1,000万円未満の費用感

個人事業主の確定申告税理士費用を売上規模別に整理すると、実務上の目安は次のようなイメージです。あくまで相場感であり、事業内容・取引件数・依頼範囲によって大きく異なります。最終的な費用は税理士への直接確認が必要です。

年商300万円未満のフリーランス・個人事業主では、申告書作成のみの単発依頼で3万円〜8万円程度が多いです。取引が少なく帳簿がシンプルなため、費用は比較的抑えられます。ただし記帳代行も依頼する場合は8万円〜15万円程度まで上がります。

年商300万円〜1,000万円未満になると、取引先が複数になり経費の種類も増えるため、丸投げで年間10万円〜20万円が一般的な相場感です。この規模になると、青色申告65万円控除の活用や所得控除の最適化といった税務相談ニーズも高まるため、単なる申告書作成だけでなく顧問契約の形を検討する価値があります。不動産所得の確定申告を税理士に依頼|1人社長が3社見積で実感した5判断軸

年商1,000万円超・消費税課税事業者の場合

年商が1,000万円を超えると、消費税の課税事業者となるケース(売上が2年前に1,000万円超など)が出てきます。この場合は所得税の確定申告に加えて消費税申告が必要になり、費用は20万円〜40万円以上に上がることもあります。

私が保険代理店に勤めていた時代に担当していた富裕層・経営者のクライアントの中には、「消費税の申告が増えたのに税理士を変えなかったため、インボイス対応が後手に回った」という方もいました。2023年10月から始まったインボイス制度(適格請求書等保存方式)への対応も、この規模の個人事業主にとって税理士選びの重要な判断軸になっています。

年商1,000万円超の個人事業主であれば、確定申告の税理士費用として年間20万円〜30万円程度の予算感を持ちつつ、法人化の検討タイミングも税理士と相談することをおすすめします。法人税法上の優遇や役員報酬の設計など、個人事業主のままでいることのコストも見えてくるはずです。

税理士依頼のタイミングと判断の5基準

いつから依頼すべきか:タイミングの見極め方

税理士への依頼タイミングは「確定申告の直前」になりがちですが、それは最善とは言えません。確定申告期(2月16日〜3月15日)は税理士事務所が最も繁忙になる時期であり、直前に依頼しても対応してもらえないか、割増料金になるケースがあります。

私が実際に税理士と面談した感覚では、依頼の最適タイミングは「年末(12月)〜1月中旬まで」です。この時期であれば、年内の取引を整理した状態で引き渡しができ、税理士側も余裕を持って対応できます。また、翌年以降の顧問契約を視野に入れた相談もしやすくなります。

逆に言うと、「今年の申告を頼みたい」と2月下旬に連絡しても、多くの事務所では受付終了か後回しになります。税理士依頼のタイミングは早めに動くことが、費用と品質の両面で有利に働きます。

依頼するかどうか迷ったときの5つの判断基準

個人事業主が確定申告を税理士に依頼すべきかどうか迷う場面は多いです。私はAFPとして、費用対効果の観点から以下の5つを判断軸にしています。

  • ①年商が500万円を超えている、または超えそうな場合:経費処理や所得計算の複雑度が上がるため、税理士の関与価値が高まります。
  • ②副業・不動産・株など複数の所得区分がある場合:総合課税・分離課税の区分を誤ると過不足申告のリスクがあるため、専門家への相談が安全です。
  • ③帳簿の記帳が追いついていない、または自信がない場合:記帳代行を含む丸投げ依頼が最もリスクを下げます。
  • ④消費税の課税事業者に該当した、またはインボイス登録をした場合:申告義務が増えるため費用よりもリスク管理を優先すべきです。
  • ⑤税務調査が入る可能性が高い業種・規模になった場合:飲食・建設・不動産・IT系フリーランスなど調査対象になりやすい業種では、顧問税理士の存在が抑止力になります。

私自身、法人化前の個人事業主時代は③と④の両方に該当したことが税理士依頼の直接的なきっかけでした。「自分でできるかもしれない」という感覚より、「適正に処理されているという確信を持つ」ことに費用を払う感覚が大切です。株式譲渡の確定申告に税理士は必要か|1人社長が痛感した5判断軸

まとめ:確定申告の税理士依頼料金を正しく判断するために

料金比較で抑えるべきポイントの整理

  • 確定申告の税理士依頼料金は売上規模・依頼範囲によって年間5万円〜40万円超まで幅がある
  • 丸投げと記帳代行+申告のみでは費用が大きく異なる。自分の帳簿管理能力に合わせて選ぶべき
  • 表面価格だけでなく消費税申告・年末調整・追加相談などの追加費用を必ず確認すること
  • 青色申告特別控除(最大65万円)は、税理士費用より大きな節税効果が見込まれるケースが多い
  • 依頼タイミングは12月〜1月が最善。2月下旬の依頼は受付不可・割増のリスクがある
  • 複数の所得・消費税・税務調査リスクがある場合は費用よりも適正処理を優先すべき
  • 個別の税務判断は税理士または所轄税務署へ必ず確認すること

最初の一歩は税理士との無料相談から

私が3社に見積を依頼して実感したのは、「料金の安さより相性と説明の丁寧さが重要」ということです。同じ業務でも税理士によってアプローチは異なり、面談での印象が長期的な信頼関係を左右します。

税理士紹介エージェントを活用すると、自分の事業内容や売上規模に合った税理士候補を複数紹介してもらえるため、一から探す手間を大幅に省けます。私も法人化の際に紹介エージェント経由で面談候補を絞り込みました。無料相談から始めて、見積と説明の質を比べることが、確定申告の税理士選びで後悔しない最短ルートです。

個別の状況によって最適な税理士・費用感は異なります。まずは相談の場を作ることから始めてください。

確定申告の税理士相談

筆者:Christopher/AFP・宅地建物取引士。2026年に自身の法人を設立し、税理士選び・顧問契約・決算までの実務を自ら経験。大手生命保険会社2年、総合保険代理店3年を経て、個人事業主・富裕層・経営者の保険×税務相談を多数担当。現在は都内法人を経営・インバウンド民泊事業を運営中。

【免責事項】
本記事は一般的な情報提供を目的としており、特定の投資・税務・法務行為を推奨するものではありません。記載内容は執筆時点の情報に基づきますが、最新情報や個別具体的な判断については、各分野の専門家(税理士・弁護士・宅建士・FP等)または公的機関にご相談ください。

【執筆・監修】
Christopher(AFP / 宅建士 / TLC)- 金融・不動産・法人実務の実体験ベースで執筆

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